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不動産と相続対策



不動産と相続対策について。

相続対策と言っても大きく分けて3分野あることをご存知でしょうか。

その3つの対策というのは
①遺産分割対策
②納税財源対策
③相続税対策 になります。
おそらく、心配されている相続対策の9割が「相続税対策」のことですね。

実際に、相続税がかかるのか全くわからないと言った方から、少しでも相続税の支払いを抑えたいといった節税の悩みまで
相続財産の額によって違います。

節税って課税価格の引き下げでもありますが、少しでも相続税の支払いを抑え財産を多く相続人に残したいと考えるのは当たり前のことだと思います。

 

その中で、不動産による相続対策をお伝えします。

 

その前に・・・

簡単に相続税基礎控除額と税率構造の変遷についてお伝えすると

現在の基礎控除額は基礎控除額が3000万円と法定相続人1人あたり600万円となっていますね。
仮に法定相続人が配偶者と子供2人(長男+長女)合計3人の場合の基礎控除額は
3000+600×3=4800
つまり4,800万円の基礎控除額があります。(平成27年~)

しかし、歴史を遡ると・・・

平成6年から平成26年までは
基礎控除額5,000万円と法定相続人1人あたり1,000万円。
上記の同じ相続人がいた場合、実に8,000万円の基礎控除額。

驚きの基礎控除額の減額になっています。
(それだけ相続税の支払いをしなければならない相続人が増えているということです)

実際、相談に来られる方の中でも、おそらく基礎控除額を超えているだろうなと思われる方が増えました。

最高税率の推移を見ても
平成6~14年までは70%(20億円超)
平成15~26年まで50%(3億円超)
平成27年~   55%(6億円超)

簡単に言えば、6億円超える財産を持っていると半分は相続税。

結果、平成14年度には課税対象が4.5%だったのに対し
平成27年度には8.0%にも達しています。
今年度(令和元年)は更に高くなること間違いなしです。

つまり、10人に1人は課税。

しかも、全国で10人に1人の割合ですから
東京・神奈川・埼玉・大阪・愛知・福岡など中心に都市部では割合は
更に高いものとなっています。

 

この不動産がなぜ、相続効果が高いのか?
これについてお伝えします。

「時価」と「評価額」の差が大きい。
これが大きなポイントになります。

重要なのでもう一度お伝えすると・・・
「時価」と「評価額」の差が大きい。

つまり、現金・預貯金・有価証券は、仮に5000万円被相続人が所有していた。
これらの相続税評価額は同じく5,000万円ということは理解できると思います。

しかし、不動産の中でも都心部の土地やマンション、特にタワーマンションは
時価(相場)は高いのに相続税評価額が低い場合がほとんどです。

タワーマンションの上層階と低層階を比較して評価額があまり変わらないのにも関わらず
時価(取引相場)が違うことを考えれば相続税対策としてはやはり上層階の購入を考えるのは当たり前になります。

 

その時価と評価額の乖離が大きければ大きいほど、
相続税対策には大きな効果が得られる可能性は高いです。

他にも借金をして賃貸物件を購入することによる相続税対策も可能です。

土地を購入し建物も新築する。
この時点で土地なら時価と路線価の差が発生。
建物も時価と固定資産税評価で下がる可能性大。

合わせて土地は貸家建付地で評価が更に下がる。
建物も貸家になるので評価が下がる。

更に土地については小規模宅等の特例が適用できれば更に。

そして、土地と建物の評価額が算出され借入金よりも小さければ
マイナス部分は他の相続財産から控除も可能になります。

「土地・建物評価額」-「借入金」 < 0

例えば、土地建物を時価1億円で1億円借金して購入新築した場合。

実際の評価額が4000万円程度まで圧縮できた際には

4,000-10,000 =-6,000  となり

6,000万円を他の相続財産から控除できることが可能になります。

そんなこともあって相続対策として地主さんにアパート・マンション業者は営業をかけています。

 

生前にできるものとして

マンションの贈与などもあります。
現金3,000万円を生前に贈与すると支払う贈与税は1,035.5万円になります。
(※基礎控除110万円適用)

ちなみに5年間かけて贈与した場合

68万円×5=340万円。

 

しかし、3,000万円のマンションを購入し贈与した場合
マンションの時価は3,000万円、評価額1,000万円。
評価額1,000万円に対する課税になるので

支払う贈与税は177万円となります。

これらの不動産をうまく活用することで、相続対策になる可能性は高いです。

ポイントとしては、不動産なら何でもいいというわけではないです。
都心部など時価と評価額の差が大きいエリアや物件の購入や新築。

間違っても、誰も買い手がつかないような離島や山林、郊外の広い土地などを購入しないで下さい。

これから、ますます人口減少が顕著になっていく中で、地方の中心部であっても
評価額以上の時価(取引相場)は難しくなってきます。

将来に不安を感じているなら、早々に対処することをオススメします。

 

 

以上、不動産と相続対策についてお伝えしましたが、注意すべき事項もあります。

相続対策として明らかなものについては当局も黙っていないということです。

実際、裁判になっているケースもあります。

節税なのか脱税なのか?
明らかな租税回避が見受けられるものについては、時価と評価額の乖離を利用し節税だと対策しても
当局からは脱税だと指摘される可能性があることも認識して下さい。

 

弊社は相続税に強い士業の先生と連携してトータル的にサポートさせて頂きます。

※令和2年1月9日現在の記事です。

 

 

 

 
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